野菜の中には、生食できるものと、そうでないものがあることをご存じでしょうか?
何となく感覚で分かっているつもりでも、その違いを言葉で説明できる人はあまり多くないかもしれません。
本記事では、生で食べてはいけない野菜と、その理由などについて説明していきます。
生食できない代表的な野菜
じゃがいもなどのいも類
「じゃがいも」などのいも類は、加熱調理が必要な食材です。
なぜなら、いも類に多く含まれるでんぷんは、加熱調理しないと人間の体に消化されないから。
おなじくいも類である「さつまいも」は、韓国では一般的に生で食べられているようですが、消化にはよくないため、お腹の弱い人は火を通して食べることをおすすめします。
かぼちゃ
近頃は、生のままでも食べられる新種のかぼちゃも出回っていますが、古くからある「かぼちゃ」は基本的に火を通して食べるものと考えたほうが良いでしょう。
理由としては、前述のいも類と同じく、かぼちゃには多くのでんぷんが含まれているため。
甘さがありクセも少ないため、そのまま食べられなくもないですが、その日の体調や体質によっては消化不良による腹痛や下痢を引き起こすこともあるので注意が必要です。
もやし
しゃきしゃきとした歯ごたえがおいしい「もやし」。
室内栽培であるもやしは、畑で育った野菜と違い、虫や菌が付きにくいのでは?と思われる方もいるかもしれません。
日の当たらない場所で栽培されるもやしは、屋外栽培の野菜と異なり、日光による消毒の過程を経ていないため、調理時の加熱による消毒が必要とされています。
野菜の中でも特に足が早いことからもわかるように、そういう意味でもやはり加熱は必須。
ちなみに、もやしはひげ根の部分から傷んでくるため、調理の前に茶色く変色したひげ根を取り除くだけで仕上がりの味わいがぐぐんとアップしますよ。
枝豆・インゲン豆
生の「枝豆」にはサポニン・レクチンという有毒成分が含まれています。
サポニンは生で大量摂取するとコレステロールの吸収を阻害したり、ときに経口毒性としてじんましんを引き起こすこともあると言われています。
レクチンは食中毒の原因となるたんぱく質のひとつで、これもまた、生や加熱が不十分な豆の摂取が原因。
どちらも熱に弱いので、加熱すれば問題なく食べることができます。
市販で売っている豆の水煮などは中が柔らかくなるまでしっかり加熱されているので安心ですが、生のまま自宅調理する際は完全に火が通るように気を付けましょう。
きのこ類
厳密に言うときのこは野菜ではありませんが、「きのこ類」も、絶対に生食・半生状態で食べることを避けていただきたい食材です。
「なめこ」「えのき」「まいたけ」「エリンギ」など一般的なきのこの多くには、毒素が含まれています。
きのこはもともと菌の集合体。
中まで火をしっかり通せばそれらの毒素は熱可変により食べられるようになりますが、基本的には熱を通さないまま食べると、中毒や嘔吐・下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
サラダの具材として食べるときも、きのこは必ず熱調理をしたものを使うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
生食は野菜の栄養をまるごと摂取するには適していますが、その一方、雑菌の消毒や、野菜の毒素を人間が食べても無害な状態にするためにしっかり中まで火を通すことが必要な野菜もあります。
なにより、ほくほくと煮込まれたお野菜や、こんがり揚がったお野菜は甘くてとってもおいしいですよね。
野菜の特性をきちんと理解して、ぜひ日々の健康維持に役立ててくださいね。