皆さんは、「リボベジ」という言葉を聞いたことがありますか?

濁点多めの「リボベジ」とは、「リボーンベジタブル(Reborn Vegetable)」を略した言葉で、意味はそのまま「再生野菜」です。

料理の後に捨ててしまう野菜のヘタや根っこの部分を、もう一度自宅で育てて、息を吹き返した葉っぱなどをおいしくいただく。それが、とってもエコで経済的な「リボベジ」です。

今回は、リボベジに向く野菜の種類、栽培の仕方や注意点などをご紹介します!

リボベジは環境や食材にやさしい食生活・食育のあり方

普段、当たり前のようにゴミ箱に捨ててしまっている野菜の切れ端が、少しの手間と世話をかけて栽培するだけで、みるみる再生し、また食卓を彩る食材になる。近年、注目されている「リボベジ」は、環境や食材にやさしいエコな食生活・食育のあり方です。

ヘタや根っこの部分を水に浸けておくだけの“簡単な栽培方法(水耕栽培)”で再生する野菜の種類は実に豊富です。

リボベジにおすすめの野菜15選

■ にんじん

■ だいこん

■ ネギ

■ ニンニク

■ 豆苗

■ 水菜

■ ミツバ

■ チンゲンサイ

■ 小松菜

■ クレソン

■ キャベツ

■ ブロッコリースプラウト 

■ かぶ

■ ワサビ

■ ショウガ

どうやって野菜は再生するの?

野菜のヘタや根っこから、再び葉っぱや茎が育つのは、残った部分にちゃんと養分があるからです。

野菜そのものに残った「養分」と、新鮮な「水」によって、もう一度元気に葉や茎は伸びていきます。

だからこそ、リボベジに挑戦する際は、養分を残しておくために、ヘタや根っこの部分を少しだけ厚めに切っておくことが大切です。

ヘタの部分なら2〜3cm、根っこの部分なら3〜5cm、葉物野菜なら中心にある新芽の部分を3〜5枚残しておきましょう。

 

リボーンベジタブルの栽培方法(基礎編)

リボベジに必要なものは、野菜の切れ端、新鮮な水、お好みの容器の3つだけです。

容器は、水を入れることができればなんでもOK!

高さを調節したペットボトル、野菜や果物のパック、キレイなグラス、陶器の小皿、保存用のタッパーなど、育てる野菜の大きさに合わせた容器を選んだり、場合によってはお部屋のインテリアにもなるような容れ物を選んでも良しです。

リボデジを栽培する時のポイント

リボデジに挑戦する野菜と容器が決まったら、次の点に注意して、栽培を始めましょう!

■ 容器に入れる水は薄く張る程度にする(野菜の浸かり過ぎは厳禁)

■ 部屋の窓際など日当たりの良い場所に置く(直射日光の当たりすぎに注意)

■ 水は1日1回必ず交換する

■ 水の交換時に容器もきれいに洗う」

■ カビや腐食が現れたら迷わず捨てる

水の清潔さと分量が成功のカギ

再生野菜の栽培は、とっても簡単な方法ですが、唯一の準備物である「水」の清潔さと分量が成功のカギとなります。

古くなった水を使い続けたり、野菜が水に浸り過ぎていると、腐りやすくなったり、カビがすぐに生えてきてしまいます。

特に夏は、水も野菜も腐りやすい時季です。栽培している野菜にヌメリが出たり、異臭がただよい始めた場合は、できるだけ早く処分しましょう。

 

手軽に始められるリボベジの魅力

いつもなら捨ててしまう野菜のヘタや根っこを再利用するリボベジの魅力は、ガーデニングに慣れていない人や、庭のない家に住む人やマンション住まいの人でも手軽に始められることです。

そして、上手に育てられた時には、わずかながらでも食費の節約となり、食卓に彩りを加えてくれるおいしい野菜として楽しむことができます。

“発見”や“実感”が食べものへの感謝の気持ちを育む

私たちにとって「食べもの」である野菜は、すべて「生きもの」です。

野菜の「成長点」を活かして行う再生栽培は、必死に芽を出し、茎を伸ばし、葉を広げようとする野菜の“いのち”を手にとるように感じとることができます。

野菜が日々成長すると共に、思いもよらぬキレイな葉っぱや花をつけることもあるでしょう。水を換え、容器を洗い、実際に収穫することで、野菜の“生きる力”を感じることもあるでしょう。

子どもと一緒にリボデジに挑戦することで、そんな“発見”や“実感”が立派な「食育」となり、食べものへの感謝の気持ちを育むことにつながるのではないでしょうか。