「今日はお鍋にしようかな」なんて考えながらスーパーに行くと、白菜や大根といった冬野菜がたくさん並んでいますよね。

冬野菜って、甘さがぎゅっと詰まっていて、食べるとじんわり幸せな気持ちになります。

今回は、そんな「寒くなると甘くなる」冬野菜の秘密に迫っていきたいと思います。

 

おいしい冬野菜とその特徴

代表的な冬野菜とは?

■ 白菜

■ 大根

■ ほうれん草

■ 小松菜

■ ねぎ

■ にんじん

■ キャベツ

■ かぶ

■ 春菊

■ 水菜

■ レンコン

■ ごぼう

他にも、意外かもしれませんが、ブロッコリーやセロリも冬野菜として挙げられます。

緑色が鮮やかでサラダにして食べることも多いため、夏のイメージを持っていた方も

多いのではないでしょうか?

 

風邪予防や疲労回復…冬野菜は私たちの元気の源

冬になると私たちの体は新陳代謝が悪くなり、何かと不調が出やすくなってしまいますよね。

そんな時は冬野菜の出番です。

実は、冬野菜は風邪予防や疲労回復などに効果があるものが多いんです。

例えば、大根には消化を促す分解酵素アミラーゼが多く含まれていて、冬に衰えがちな胃腸をサポートしてくれます。

また、ネギの辛み成分であるアリシンには血行促進の効果があるので、体調がすぐれない時の心強い味方です。

寒い季節には、体調を整えてくれる冬野菜を積極的に食事にとり入れていきましょう。

 

冬野菜が甘い理由

甘くなる=防寒対策!?

私たちの免疫力を高める栄養素をたくさん含んでいる冬野菜。では、どうして冬野菜は、寒くなると甘くなるのでしょうか?

その理由は、寒さから自分の身を守るために、水分を減らして糖分を増やしていくからです。

水は0℃になると凍りますが、野菜の水分が凍ってしまうと細胞が壊れ傷みの原因になってしまいます。

そこで、野菜は凍結を防ぐために体内で糖分を作り、凍りにくいからだを作っているんです。この糖分こそが「甘さ」の正体です。

 

特性を生かした栽培方法

甘くなることで身を守っている冬野菜ですが、この働きを活かした野菜作りが「寒じめ」です。

ほうれん草や小松菜などの葉物が寒じめ栽培に向いているとされています。

冷たい空気に当てられた野菜は甘さがぐんと増すだけではありません。

葉は縮れて厚く、緑は色濃くなるため味も見た目もおいしい冬野菜に育ち、さらに栄養価もアップします。

ほうれん草は、風邪の予防に役立つビタミンCを含んでいますが、その量は冬以外のほうれん草の場合が100gあたり20mgであるのに対して、冬のほうれん草は60mgと3倍も違ってくるんです。

 

冬野菜で心もからだもポカポカに

冬野菜は決して寒さに強いわけではありません。

私たちは暖房や着る服で温かさを手に入れることができます。しかし、冬野菜は、厳しい自然条件の中、自分で糖分を作ってじっと寒さをしのいでいます。

私たちが甘〜い冬野菜に出会ったら、その冬野菜が寒さに負けずに育った証拠です。

そんな冬野菜で作る温かい料理は、心もからだも“ホッと”させてくれるご馳走ですよね。

自然の恵みをいただくことに今日も感謝し、冬をおいしく乗り切りましょう。