「干し野菜」と聞いてまず思いつくものはなんでしょうか?
干ししいたけや切り干し大根など、日本の食卓でなじみ深いものもあれば、ドライトマトなどおやつ感覚で食べられるものまで種類はさまざま。
お店で買うと少し高いのが難点ですが、もしお家で簡単に作れるのならぜひやってみたいですよね?
今回は干し野菜に初挑戦の方でも始めやすいおすすめの野菜から、おいしく食べるためにぜひ取り入れてほしいひと手間などをご紹介します。
寒くて乾燥した季節の今がはじめ時!
干し野菜のいちばんの天敵といえば湿気。
失敗の原因で最も多いのが、湿気によるカビの発生や、水分が完全に抜け切るより先に傷んでしまうこと。
晴れの日が多く空気が乾燥し、気温もぐっと冷え込む今の季節は、干し野菜初心者さんが始めるのにもってこいの季節なのです。
干し野菜にすると何がいいの?
野菜を干すとどんな良いことがあるのでしょうか?
ひとつは、なんと言っても「野菜の旨味がぐんと増す」こと。
中身の水分が抜けることでより野菜本来の旨味を味わうことができ、さらに青くささや野菜独特のクセがきれいになくなります。
「干すことによって野菜の栄養素が増える」という話は、いちどは耳にされたことがある方も多いことでしょう。
ここで大切なのは、「天日」つまり日に当てて乾燥させるという事。
もともと野菜に含まれている栄養素で、天日干しにより増えるとされる栄養素には以下のようなものがあります。
・ビタミンD.ビタミンB群などのビタミン
・カルシウム
・鉄分
・ミネラル
水分が減ってうまみが増すのも、野菜の中のミネラルがぎゅっと凝縮されるからなんですね。
日光に当たることで変化する栄養素も
なかには、紫外線により野菜の栄養素が変わるものもあります。
例えば、しいたけに含まれるエルゴステロールという成分は、紫外線を浴びるとビタミンDに変化します。
骨の健康を保つのに役立ったり、免疫力アップに欠かせないビタミンD。
実はビタミンDを元々含む野菜というのはほとんどなく、普段の食事で摂取するのはとても難しい栄養素なんです。
干すだけでビタミンDを簡単にとることができるシイタケは、干し野菜生活を始めるならぜひ押さえていただきたい野菜の一つといえるでしょう。
ちなみに、野菜の中に含まれるアミラーゼという酵素は、日光に当たるとブドウ糖に変化し、甘みが増します。
切り干し大根が甘くておいしいのも、アミラーゼがブドウ糖に変わったから。
ブドウ糖が増えることで、風味も豊かに、よりおいしく感じられるようになります。
ビギナーさんにもおすすめの野菜は?
エリンギ・まいたけ・しいたけなどのきのこ類、かぼちゃ、ごぼう、キャベツ、トマト、にんじんなどなど……
基本的に、極度に傷みやすいもやし以外は、大抵の野菜を干すことができると考えてOK!
逆に水分の多い野菜では失敗しやすいので、トマトのように汁気のある野菜は先にキッチンペーパーなどで水分をよくぬぐっておくのを忘れずに。
繰り返しになりますが、干し野菜にとってのいちばんの敵は「湿気」!
100円ショップで売っている干しかごや竹ざるを使い、「太陽が当たり」「風通しのよい場所」に干すことを心がけましょう。
日中のしっかり日が当たる時間は外に干し、湿気が多い夜は家の中に取り込むようにするのがおすすめです。
「薄く」「均一に」切ってミスなく時短
注意して干していたのに、水分が抜け切る前に傷んでしまった……
そんな悲しい結果にならないためには、野菜がすべて均一に乾くよう、薄く、サイズをなるべく均一にそろえるように切り分けることも大事なポイントです。
それにはじめから細かく切っていれば、料理にもそのまま使えて一石二鳥!
ざるなどに並べて干すときは、それぞれが重ならないように干しましょう。
干し時間の短縮は、そのまま調理のしやすさにもつながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
急な用事や帰省などで家を空けることが多くなる年の瀬。
買い溜めした野菜を腐らせず、最後まで気持ちよく使い切るのにも「干し野菜」はきっと一役買うはずです。
今日から「干し野菜」を上手に使いこなして、年末年始も野菜をたっぷりいただきましょう!