スーパーやコンビニなどでも販売されている、便利な冷凍野菜
既にカットされていることも多く、一人暮らしの方や朝のお弁当にももってこいです。
取り扱われる野菜の種類も多く、ブロッコリーやかぼちゃ、長芋など下ごしらえに手間がかかるものも冷凍野菜として販売されています。
とても便利な冷凍野菜ですが、栄養価などの面で賛否両論あるようです。
本記事では、「冷凍野菜」について詳しくご紹介します。

冷凍野菜の栄養価は低い?

冷凍野菜の栄養価は、実際には低くはありません
生の野菜と比べて低いんじゃ‥と思われる方も多いですが、そんなことはありません。
冷凍野菜に使用している野菜は、旬の時期に収穫したものであることから通常時の野菜より栄養価が高い場合も。
ただ、冷凍野菜を作っていく上で損なわれてしまう栄養素もあるため「求める栄養価」によっては生野菜を摂取した方がよい場合あります。

なぜ栄養価が低くならないの?

市販の冷凍野菜は、徹底した温度管理のもと栄養素が下がらないよう下処理されています
また、冷凍野菜はコストの関係で旬の野菜が加工され、保存されています。
旬で栄養素バツグンのまま冷凍保存されているため、通常時の生野菜よりも栄養素が多いことも。

さらに、一般的に冷凍加工には「ブランチング」という特殊な処理を行います。
短時間でぐっと加熱した後、急速に冷やすこの処理は酵素の働きなどを弱める効果があり、自宅で冷凍した野菜より市販の冷凍野菜の方がおいしいのも、この技術の賜物です。
ブランチング処理により、栄養素も旬の時期から大幅に下げることなく保存することができます。

加工による栄養素への影響は?

ブランチングにより、水に溶けやすく熱に弱いビタミンCなどは失われがちになります。
そのため、水分量が多いレタスやトマトなどの野菜は冷凍には向きません。
また、さつまいもや大根などの繊維質な野菜は解凍の過程で食感が損なわれてしまうことがあるので、こちらも冷凍には不向きです。
万が一、根菜類やさつまいもを冷凍したい場合は、先にペースト状にしておくなどの対策が必要となります。

熱や水に強いビタミンEミネラルなどを持っている野菜は、冷凍に向いています。
具体的には、ほうれん草や小松菜などの葉物類、きのこ、かぼちゃなどがオススメです。

冷凍野菜の栄養価の違い

生の野菜と冷凍野菜では高くなる栄養素が違います。
なかには冷凍の方が栄養価のあがる野菜もあるくらいです。
きのこやにんじん、ブロッコリーなどは冷凍の方が栄養価があがります。
一体なぜでしょうか?

きのこの場合

冷凍することで細胞が破壊されると、うまみや栄養がにじみ出やすくなるため逆に全体的に栄養価があがります。

にんじんの場合

冷凍することでカロテンなどの栄養素が増加します。

ブロッコリーの場合

生で出荷するとどんどん減ってしまうビタミンCが収穫のときそのままに保存できるため、生よりもビタミンCが多くなります。

このように、
︎︎︎︎・生だと栄養価がすぐに下がってしまうもの
︎︎︎︎・冷凍し、細胞が破壊されることでにじみ出やすくなるもの
上記の2点に当てはまる野菜は、生の野菜よりも冷凍野菜の方が栄養価が高くなるため、違いが生まれるのです。

スーパーでもこれらの冷凍野菜はよく目にしますよね。
それは冷凍に向いているからという理由もあります。
市販の冷凍野菜は、きちんとおいしく食べられるよう下処理がされているため、安心して使用することができます。

冷凍野菜の上手い使い方

冷凍野菜を自然解凍してしまっている方はいませんか?
自然解凍をすると、解凍時に多くの水分が出てしまうため水溶性のビタミンやカリウムなども一緒に失ってしまい、さらに食感も悪くなりがちです。
冷凍野菜を食べる際は、フライパンなどでそのまま一気に加熱してしまうのがおすすめ。
加熱前には、熱湯やぬるま湯などで霜を払っておくと水が油はねすることもなく快適です。
急速冷凍の逆で、急速解凍を目指すといいでしょう。

また、加熱のしすぎにも気を付けてください。
冷凍野菜は、冷凍する過程で加熱するため7〜8割はすでに熱が入っています。
そのため加熱しすぎると食感や味が失われてしまいますので、解凍されるくらいの少しの加熱で充分なことを覚えておきましょう。

冷凍野菜はうまく使えば生の野菜よりも栄養価が高く、扱いやすい便利なものです。
上手く活用して、食卓を彩りましょう!