みなさんこんにちは。

突然ですが日本の水の輸入量が800憶㎘ってご存知ですか?(2005年環境省)

これはevianなどのミネラルウォーターの飲み水ではなくバーチャルウォーターと呼ばれるものの数値です。

最近ではバーチャルって言葉をよく耳にするようになりましたよね。でもバーチャルなウォーターって?疑似的な水?仮想的な水?

いったいなんのことでしょう。今日はそれをお話しようと思います。

前回日本はたくさんの農作物を輸入している話をしました。それらを仮に日本で栽培したとしたらどれだけの水が必要だったかを数値化したものがバーチャルウォーターというわけです。環境省のHPにバーチャルウォーターの量を計算できる計算機があるのでそちらも参照してください。

例えばコーヒー一杯に使う豆を栽培するのに必要な水の量は210ℓです。パン一枚には96ℓ、ハンバーガー一個だと3,000ℓの水が必要になるという試算もあります。ハンバーガーにはバンズ(小麦)、レタス、牛肉があります。牛肉は牛が飲む水以外に育てるために必要な飼料としてのトウモロコシや牧草などの栽培に必要な水も含まれています。牛肉1㎏あたりに必要な水は20,000ℓになるそうです。

上記のように私たちが輸入している様々な食には輸出国の水をはじめとして色々な資源も含まれているのです。

では何が問題なのかという話に入ります。水資源に困っていない私たちには信じがたいかもしれませんが世界では水戦争ともいうべき国同士の争いも起きています。川の上流に位置する国がダムを造ると水がせき止められるのではないかと下流の国が懸念をしめす例があります。ナイル川のエチオピアとエジプト、メコン川の上流にある中国と東南アジア5か国。(メコン川は複数の河川が合流していますがその水源は中国から)目に見えない地下水も奪い合いの対象になります。また水源の汚染によっても争いは生まれます。島国で年間降水量も多い日本では考えにくいことですよね。でも昔の日本でも村同士で水の奪い合いによる争いはいくつもあったと聞きます。温暖化が進み水資源が枯渇する一方で地球規模で人口は増加すると言われています。そうなると水をめぐる争いも増えると言われています。

仮定の話になってしまいますが、水資源が不足して作物の収穫量が減り自給率が下がるとどうなるでしょう?自分たちの国内で食べる分が足りないのに輸出を続ける国があるでしょうか?そんなことはないですよね。つまり環境が変わっていき各国の食糧自給率が今より下がれば世界へ向けての輸出量は減っていくということです。そうなるとまず最初に価格が高騰します。この数年の間、ニュースや情報番組で日本が買い負けたということを聞いたことがありますよね?そういうことが牛肉や豚肉、マグロだけにとどまらず小麦や大豆などでも起きる可能性があるということです。価格の問題ならコスト分の値上げができればまだ解決できるような気もしますが、輸出国が輸出をストップしたら手に入れることができなくなります。

日本は島国で他国と水資源を争うことはないでしょうし、豊かな水があるように思えますが、そもそも今輸入に依存している食料を国内で生産することが可能なのでしょうか?パンにラーメン、パスタ、うどんを作るのに必要な小麦、日本の食文化のそばや大豆。ほとんどを輸入に頼っていることは前回お話した通りです。おいしいですし、もう日本の食卓にずいぶんと浸透していて今さら排除するのは難しいと思います。ですが、いつまでも欲しいものを欲しいだけ海外から調達することも難しくなっていくことを知っておかなければならないと思います。そのために米食の比率を上げるだとか、少し高いけど国産使用の商品を買い支えるなど意識を変化させる必要があるのではないでしょうか?

食べ物のありがたみを見つめなおして食べ物を大切にしていきましょう。