煮物やサラダや漬物などに欠かせない「大根」。日本人に馴染みが深い野菜ですが、品種や栄養素など特徴を知らない方が多いのではないでしょうか?
本記事では、大根の特徴や美味しい大根の見分け方を紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
大根の概要
大根とは、アブラナ科ダイコン属の一年草であり、日本人に馴染みの深い野菜の一つです。ちなみに、春の七草である「すずしろ」は大根を指します。
大根といえば、白色が一般的ですが、最近は品種改良などもあり「朱色」や「紫色」の大根も販売されるようになりました。次項では、大根の品種について見ていきます。
品種
大根には200種類以上もの品種があります。その中でも、代表的な品種を紹介します。
青首大根
青首(あおくび)大根は、日本国内に流通する大根の90%以上を占める、日本でもっとも消費されている品種です。首の部分が緑色なので「青首」といわれています。
煮物やサラダなど、幅広い料理に使われています。
三浦大根
三浦大根は、かつて神奈川県の三浦半島の特産品として生産されていましたが、今では希少野菜として正月の時期のみ流通しています。
きっかけは1979年に台風16号で農作物が壊滅的な被害を受けたことです。天候対策として、短期間で収穫できる青首大根に需要が集まりました。現在は、ごくわずかな量のみ生産されています。
聖護院大根
聖護院(しょうごいん)大根は、江戸時代後期に誕生したとされ、京都の伝統野菜に認定されています。丸い形をした大根であり、大きくて甘みがあるのが特徴です。
冬の京都には欠かせない食材となっています。
産地
2019年時点で、都道府県別生産量は北海道が最も多く全体の14%となっています。次いで、千葉県が13%、青森県が10%です。
しかし、大根は全国各地で栽培されており、どこかが秀でて栽培していることはありません。
旬
青首大根をはじめ、煮物や漬物に使う大根の旬は11~2月です。2月は大根の旬を味わえる最後の時期といえるでしょう。
一方、辛み大根は初夏~夏が旬となっています。
大根の栄養素
大根は、100g当たり15kcalと非常にヘルシーな食材です。そのため、ダイエットにもおすすめです。
大根は水分が多く栄養素が少ないイメージを持たれがちですが、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。大根に含まれる栄養素は以下の通りです。
- ビタミンC
- 葉酸
- カリウム
- 食物繊維
ビタミンCは、強い抗酸化作用があり、コラーゲンの生成にも関わっている美容・健康に欠かせない栄養素です。免疫効果を高める作用もあるため、風邪を引きやすい冬場は意識的に摂取すると良いでしょう。
ビタミンB群の一つである葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、細胞分裂を助ける働きがあります。妊婦や妊娠を希望する方は積極的に摂取したい栄養素です。また、動脈硬化や貧血も予防できるため、健康維持にも欠かせません。
カリウムは、体内の余分な水分を排出する働きがあります。高血圧の予防やむくみ解消に効果があります。
食物繊維は、腸内細菌の働きを活発にして、おなかの調子を整えるのに役立つ成分です。コレステロールや食後の血糖値上昇を抑える効果があるため、ぜひ積極的に摂取しましょう。
また、大根の葉っぱは緑黄色野菜のため、根の部分よりも豊富な栄養素が含まれています。葉っぱも付いているなら、一緒に摂取すると良いでしょう。
美味しい大根の見分け方
スーパーの大根は、全体にハリと艶があり、真っすぐ伸びていて太いものを選びましょう。持った時にずっしり重さがあると、水分が豊富な証です。
また、葉っぱの部分にも栄養素が含まれているため、葉までピンと張った大根を選ぶと良いでしょう。
大根の保存方法
大根を丸ごと1本買ったら、「葉っぱ」と「大根の身」を切って分けておきましょう。葉元ぎりぎりの所に包丁を入れて、ビニール袋に入れておきます。
大根の身は「根元」「中間」「先端部」の3つに切り分けましょう。それぞれキッチンペーパーで包んだ後に、ビニール袋に入れて野菜室で保管しておきましょう。
大根は水分を多く含んでいるため、乾燥するとからからになって美味しくなくなります。乾燥しないように、保存方法には注意してみてください。
大根の調理方法
大根は葉に近いほど甘く、尾になるほど辛くなる野菜です。調理方法に合わせて、部位を使い分けましょう。
また、繊維に沿って切る時は、薄切りや短冊切り・細切りが、繊維を断って切る際は、輪切りや半月切りがおすすめです。
下茹でする際は、鍋に大根が被るぐらい水を入れて茹でるようにしましょう。少量のお米を入れて煮るとアクが抜けるのでおすすめです。
まとめ:大根は葉まで食べて栄養素を摂取しよう
本記事では大根の特徴や栄養素などを紹介しました。
大根は11月~2月に旬を迎える野菜であり、根だけではなく葉っぱにも栄養素が多く含まれています。水分が多い野菜のため、購入後は新鮮なうちに使い切ると良いでしょう。
本記事を参考に、旬の大根を美味しく味わいましょう。