カブは、春と秋に旬を迎える野菜です。特に10〜11月頃は収穫のピークを迎え、市場にたくさん出回るため、安く手に入りやすいのが嬉しいポイントです。
涼しい気候でじっくり育った秋のカブは栄養満点で、しっかりとした歯ごたえがあるため、煮込み料理にぴったりです。

本記事では、カブに含まれる栄養素から、鮮度の良いカブの選び方、美味しさを長持ちさせる保存方法まで、詳しく解説します。

秋に旬を迎える野菜についてもっと知りたい方は、以下のコラムもぜひご覧ください。
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カブの旬は年に2回ある

カブの旬は、「3〜5月の春」「10〜11月の秋」と、年に2回あります。
それぞれの季節で育つ環境が異なるため、収穫されるカブの特徴も異なるのです。
春と秋に収穫されるカブについて、特徴やおすすめの料理について紹介します。

3〜5月の春|やわらかな食感が特徴

3〜5月頃に収穫されるカブには、やわらかくてみずみずしい特徴があります。 生で食べられるため、サラダや漬物、カブの葉と和えて食べるのがおすすめです。 カブの根にはアミラーゼ、葉にはビタミン類やカリウム、ミネラルなどの栄養が豊富に含まれています。 そのため、栄養素を最大限に摂取したい場合は、生で和えて食べると良いでしょう。

10月〜11月の秋|強い甘みが特徴

10〜11月頃に収穫されるカブには、強い甘みを感じられる特徴があります。 春に収穫されるカブと比較すると歯ごたえがしっかりしているため、煮物やソテーで食べるのがおすすめです。

<秋のカブにおすすめな料理の例>

  • そぼろ煮
  • ポトフ
  • 牛肉とカブのソテー

カブは料理に慣れていない方でも扱いやすい食材ですので、積極的に調理して食べてみてください。

カブに含まれる栄養素と期待できる健康効果について

カブには豊富な栄養素が含まれています。
根と葉で異なる栄養素がありますが、どちらも栄養豊富ですので、捨てずに食べるのがおすすめです。
カブの根と葉に分けて、含まれる栄養素と期待できる健康効果について解説します。

参照: 文部科学省「日本食品標準成分表」

カブの根|胃腸の働きを助ける

カブの根に含まれる栄養素には、胃腸の働きを助ける効果が期待できます。

<カブの根に多く含まれる主な栄養素>

  • ビタミンC
  • カルシウム
  • 食物繊維
  • 消化酵素(アミラーゼ)

特に、消化酵素のアミラーゼは、炭水化物の消化を助ける働きがあります。
生でカブの根を食べれば、アミラーゼを効率良く摂取できるため、胃もたれや胸焼けといった胃腸の不快感を和らげる効果が期待できるでしょう。

カブの葉|美肌作りをサポート

カブの葉に含まれる栄養素には、美肌作りをサポートする効果が期待できます。

<カブの葉に多く含まれる主な栄養素>

  • β−カロテン
  • ビタミンB1・B2・C
  • カルシウム
  • カリウム

特に注目したいのが、β-カロテンとビタミンCです。これらには強い抗酸化作用があり、肌の老化の原因となる活性酸素から細胞を守る働きがあります。
また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持するのにも役立ちます。
カブの葉は捨ててしまいがちですが、実は根よりも栄養豊富です。炒め物や汁物の具にするなど、美味しく調理して積極的に食事に取り入れましょう。

カブを上手に保存する方法

カブを上手に保存する一番のポイントは、購入後すぐに根と葉を切り離すことです。
葉がついたままだと、葉が根の水分や養分を吸い上げてしまい、味が落ちる原因になります。

<冷蔵保存する場合>

  • 根: ラップでぴったりと包むか、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。保存期間の目安は4〜5日です。
  • 葉: 湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れて立てて保存します。保存期間の目安は2〜3日です。

<冷凍保存する場合>

長期保存したい場合は、冷凍がおすすめです。

  • 根:皮をむいて、使いやすい大きさ(薄切り、くし形切りなど)にカットしてから、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
  • 葉:さっと茹でて水気を絞り、細かく刻んでから同様に冷凍すると、調理の際にすぐ使えて便利です。

カブを美味しく食べるための調理のポイント

カブをより美味しく食べるために、調理の際の簡単なポイントを2つ紹介します。

皮は厚めにむく

カブの皮のすぐ内側には、硬い繊維質の層があります。この部分を残してしまうと、口当たりが悪くなる原因になるため、皮は少し厚めにむくのがおすすめです。ピーラーで2〜3回むくか、包丁でうっすらと内側の白い部分が見えるくらいまでむくと良いでしょう。

加熱時間に注意する

カブは煮込み料理に適していますが、長時間加熱しすぎると煮崩れしやすくなります。また、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは熱に弱い性質があるため、栄養を逃さないためにも加熱は短時間で済ませるのがポイントです。煮物やスープに入れる際は、他の具材にある程度火が通ってから最後に加えると、食感も栄養も損なわずに仕上がります。

美味しくて新鮮なカブの選び方

美味しくて新鮮なカブを選ぶときには、以下のポイントに注意しましょう。

  • 根に艶があってくすみがない
  • 葉の緑が鮮やかでみずみずしい
  • 6cmほどの大きさで、重量感がある
  • 1本の根が真っすぐ伸びていて、ひげ根が少ない

美味しいカブを選ぶなら、最初に根の部分に注目するのがおすすめです。
形や色味が気に入ったものがあれば、葉にも注目して選ぶと良いでしょう。

まとめ:秋が旬のカブを食べて心も体も健康に!

秋に旬を迎えるカブは、甘みが強く、しっかりとした歯ごたえが魅力です。
煮物やソテー、ポトフなど、簡単な調理でその美味しさを存分に味わえるため、秋の食卓に積極的に取り入れたい食材の一つと言えるでしょう。

また、根には胃腸の働きを助ける消化酵素、葉には美肌をサポートするビタミン類が豊富に含まれています。ぜひ、葉も捨てずに丸ごと調理して、カブの栄養を余すところなく摂取してください。
今年の秋は美味しいカブをたくさん食べて、心も体も健やかに過ごしましょう。