料理と言っても、炒め物・煮物・揚げ物・蒸し物など、調理方法はさまざまです。
みなさんは、調理方法に合った野菜の切り方が、味を左右することをご存知ですか?
基本の切り方をマスターしたら、大好きな野菜はもちろんのこと、ちょっぴり苦手な野菜も美味しく食べれるようになるかもしれません。
そこで今回ご紹介するのは、「野菜の基本の切り方」について皆様にお伝えできたらと思います。
注目するポイントは「野菜の繊維」
野菜の繊維は、根本から葉先に向かって一方的に走っています。
何気なく切っている野菜も繊維に注目するだけで格段に味も食感もかわります。
野菜の繊維に「沿って切る」
繊維に沿うように縦に切れば野菜本来の味・水分を内部に保つことができるため、「シャキッ」とした食感になります。
「青椒肉絲(チンジャオロース)」は、繊維に沿うように細切りしたピーマンは、高温で炒めてもシャキシャキとした食感が残りつつも、ピーマン独特の苦味もきちんと楽しむことができます。
野菜の繊維に「断つように切る」
繊維を断つように切れば、柔らかく、味が染みやすくなるのです。
「ピザトースト」の上にのせたピーマンは、繊維を断つ輪切りにすることで、加熱したときに甘みが出るだけでなく、横からかぶりついても噛み切りやすくなっています。
季節の野菜も、切り方ひとつでこんなに変わる!
春先によく出回る野菜の、おすすめの切り方・食べ方をご紹介します。
“春キャベツ”と“冬キャベツ”の切り方の違い
春から秋にかけて出回る春玉キャベツ。
煮物やロールキャベツに好んで使われますが、春キャベツは柔らかいので、細かく切るとしんなりしがちになります。 春キャベツを千切りにするときは、「繊維に沿う」ように切ることで、シャキッと感を残したまま美味しく食べることができます。
逆に、冬に出回る冬玉キャベツは元々歯ごたえがしっかりしているので、「繊維を断つ」ように切るとふんわりとした千切りキャベツになりますよ。
なお、やわらかくふわふわな食感を保ちたいなら水にさらさないでおき、反対に少し食感を出したい場合は水にさらせばOKです。
切り方が料理の味を左右する野菜の“セロリ”
通年で手に入るセロリですが、中でも比較的多く出回るとされているのが3月。
しっかりとした歯ごたえとセリ科特有の強い香りを持ったセロリは、“切り方”によって料理の出来を大きく左右する野菜でもあります。
シャキシャキとした歯ごたえや独特の風味、みずみずしさを楽しみたいなら、「繊維に沿って切る」か、あるいはスティック状にするのがいいでしょう。
スティックのままならディップソースにつけてもおいしく食べられますよ。
食べやすくするためにスープなどに入れる際には「繊維を断つ」切り方でもある「小口切り」にするのがベスト。
またサラダなどにする際も、ドレッシングをよく馴染ませたいなら同じく「小口切り」にするのがおすすめです。
野菜の個性を理解しよう!
いかがでしたでしょうか?
レシピ本に載っている代表的な料理をよくよく見てみると、どの野菜の切り方もすべて理にかなっていることが分かります。
繊維質なもの、水分の多いもの、癖の強いものなど、野菜の個性は千差万別。
それぞれの野菜が持つ良さや特性をちゃんと理解したうえで、切り方のポイントを押さえさえすれば、そのお料理に合ったベストな切り方は、おのずと見えてくるはずです。
ぜひ、今日からお試しください。